CODEX ZEPHYRVS

Sine doctrina vita est quasi mortis imago.

IPSJ-ONEでお話を聞いてきた3

割と間隔あいてしまいましたが前回の続きですよ~
前回の記事はこちらです!↓zephyrargent.hatenablog.com


11. 金岡 晃さん
大丈夫.暗号は敵じゃない.

暗号にユーザビリティ、とくにサービス提供者/開発者に対するユーザビリティを高めよう、というお話でした。暗号技術により可能になることは多いとおっしゃってましたね。確かに、暗号技術って身の回りにありふれているよなぁと改めて思いました。暗号理論ってちらっと本見たことあるけど、なかなか高度な数学使ってましたよね…ユーザビリティを高めるのは結構大変なんだろうなぁ。

12. Kevin Duhさん
深層学習で自然言語処理を変える

最初英語で自己紹介されていたので英語で発表なさるのかと思ってびっくりしました笑
つかみバッチリって感じですね~笑
コンピュータに自然言語を理解させることができたら、コンピュータはより便利に、より賢くなるとおっしゃっていました。自然言語を理解できるコンピュータ…まだSFの世界のお話ですよね。テキストデータを単語に分割して、構文解析、述語構造解析、そして機械翻訳のように自然言語を処理できるそうですが、これでは単語の意味は考慮できていないことになる。「私はプリンタを食べる」とかいう謎の日本語でさえ認識されてしまうので、自然言語の理解にはまだ届いていないんですね。そしてそもそも「意味」ってなんだ、というお話です。正確な定義は確かに難しいですね。その単語と関連する用語をすべて考慮しないとうまくいかない。ここでDeep Learningという手法で単語の意味獲得をはかるのだそうです。ここでは単語の意味はベクトルになっているのだとか。詳しく知りたいですね。単語の意味を自動的に獲得できるようになっていけば、SFの世界が実現するのも近いかもしれません。

13. 藤井 直敬さん
ハコスコってなに?

ハコスコっていうのは、話を聞く限り全方向パノラマ映像をSR(代替現実)で見ることができる箱、ということでいいんでしょうかね。「箱スコープ」の略なのかな? アトラクションでハコスコを使うものがあったそうなのですが、リアルすぎてSRであることに気づかれなかったのだとか笑
けっこう会場の方もお持ちの方がいらっしゃいましたね。タダでも配っていたそうです。ちょっと気になりますねぇ、面白そうです。

14. 木谷 友哉さん
Bikeinformatics: 情報科学的二輪車研究

めちゃくちゃバイクがお好きだということが伝わってきました笑
バイクに関するデータを浜松に集めたり、計測機器をいろいろつけてバイクに乗ったり、ということをやってらっしゃるみたいです。これが好きだ、ってのはすごいモチベーションになりますよね。好きなことを研究できるって素敵です。僕も大好きな(有機)化学を情報科学で扱うケモインフォマティクスという分野で研究していけるといいなぁ

15. 吉野 幸一郎さん
音声対話システムの現在と未来

現段階では、音声認識で議事録をとる、なんてことはもう可能なんだそうです。Siriとかはそうでもないこともあってちょっとびっくりしました。現在の技術では、会話のゴールが明確な場合は十分対応可能なのだそうです。一方、定義されていない/目的が明確でない質問には対応できない。そういうことで、情報案内や情報の推薦ができる「空気を読んだ」システムを開発しているとのことでした。デモを見せていただきましたが、面白かったです。何を聞きたいのかわかりづらそうな質問にも答えていたし、質問してさらに興味のありそうな話題に関しては追加の情報を提供、興味がなさそうなら関連した別の情報を提供、ということがしっかりできていました。Siriに話しかけるのが楽しくなる日も近い…?

16. 瀬々 潤さん
解析するデータを沢山にすると,なぜか発見が減るジレンマを乗り越える〜生命情報解析を例に

300PBものビッグデータ機械学習させることで、多くの発見があってそれらを活用できたらそれはとても良いことですが、残念ながら検定による有意差によってそううまくもいかないそうです。データを増やすと嘘の発見が増えてしまう。そういう問題があったんだ、と驚きました。何も知らんなぁ自分
そのままでは嘘の発見が増えるので、多重検定補正をかけてみると、今度は新発見もろとも、誤発見を減らしてしまうのでまともに使えないという問題も出てきてしまう。データの扱いって難しいんですね。そこで"LAMP"を使うことで誤発見は減らし、新発見は増やすということを行っているそうです。活用例として、乳がん細胞の解析例を示していました。 10^{40}通りの組み合わせを20分で解析してしまうそうです。すごいなぁ

17. 橋本 善久さん
ゲーム発リアルタイム技術の今と未来

名前を見ていち早く気付くべきだったんですが、この方僕の好きな『ソニック』シリーズのゲーム『ソニックワールドアドベンチャー(SWA)』のディレクターさんでしたね…スライドにSWAの画像出てきて思い出しました…。僕この方のインタビュー記事を見て「京大工学部の情報学科に行ってゲーム作りのために情報学の勉強をしよう!!!!」と決意したぐらい、多大な影響を受けたんですよね。(今では方向性が変わってケモインフォマティクスを研究しようと考えていますが、どちらにしろこの記事を読んでいなかったら情報学科に来ていなかったように思います。京大に固執したのは別の理由がありますけど。)sonic.sega.jp
そういえばリアルタイムレンダリングのお話でしたね、このインタビュー記事も。ヘッジホッグエンジンすげーとか思った記憶あります。
PS4のグラフィック性能は良く知らなかったんですが、デモ映像見てめっちゃすごいな、って思いました。あの実写みたいな高画質をリアルタイムで描画してるのか。元から作っておいたムービーみたいな感じでした。めっちゃ高性能ですね、PS4。欲しくなりました(買うゲームないけど)。ソニックの新作がPS4で出るなら買いましょうかね笑
そして描画する量が多くなっても問題ない。今までの間隔だと処理落ちでカクカクしそうな感じなのにぜんぜんしてない。これはもうPS4買うしかないんじゃないですかね

18. 鯉渕 道紘さん
超低遅延HPCネットワークのためのランダムトポロジ

内容としてはスパコンの高速化のお話。光無線スパコンを高速化するにはでたらめなケーブリング(ランダムトポロジ)の方がルートに近道が見つかって高速になるのだそうです。スモールワールド現象ってやつなんですね。高速化されるのはパケットホップ数が激減して遅延が削減されるからだそうです。これ実験で似たようなことやったなぁ
光無線っていうのは聞きなれないワードでしたね。光ファイバー(有線)を使うのではなく光ビーム(無線)による通信だそうです。40Gbpsの速度なのね。複雑化、大規模化するにつれて、ランダムトポロジは効果的になるとおっしゃっていました。覚えておこう。

19. 遠藤 謙さん
身体ハッキング

義足で登場していらっしゃいました。かっこいい感じの義足でしたね。Xiborgって名前もとても良いです。「技術を高めれば身体障害は『なくなる』」という言葉が印象的でした。ハンディキャップは技術で乗り越えられるようになってきたんですね。生きやすい時代になりましたね。五体満足であることは一番幸せですが、万一足を失うことになったならば、ぜひサイボーグにしていただきたいものです。


これで全部! 結構あったな~
全体的にとても楽しめました。またこういう機会があればぜひ参加したいですね。