CODEX ZEPHYRVS

Sine doctrina vita est quasi mortis imago.

IPSJ-ONEでお話を聞いてきた2

昨日の続きを書きましょうね~
昨日の記事はこちらですよ↓
zephyrargent.hatenablog.com


6. 内藤 克浩さん
IPv4/IPv6ネットワーク上のシームレス通信技術

ユビキタスに関するお話でした。インターネットの形態が、端末間通信→クライアントサーバー→クラウド、とだんだん複雑になってきてるという話がまずありましたね。次はどんな形態になっていくんだろう。IoT(Internet of Things:モノのインターネット)という言葉を恥ずかしながら初めて耳にしたのですが、いろいろと時代が変わってる感じしますね。IoTのアプリケーションとしてはホームオートメーション、ウェアラブルなもの、ヘルスケア関連のものがあるそうです。ただ、IPv4IPv6という互換性のない通信方式がIoTを難しくしているとのこと。2つの通信方式をまたぐ際、シームレスな通信が出来ないからです。この2つの間に中継サーバを置くことでシームレスな通信が実現されていました(動画で見せてもらいましたが、切り替え前後でちょっとノイズが出る程度でした)。IoTとかネットワークとか、全然知らないけどもなかなか面白いんだなぁ
ところでIoTって文字列、泣いてる人の顔に見えませんか?→(IoT)

7. 田中 浩也さん
3Dプリンタの次: 4DプリンタとIoTファブリケータの未来

3Dプリンタは所詮アナログなものを生み出す機械だから、デジタルの情報も引き出せるようにしよう、という旨のことを言ってましたね。3Dプリンタにチップを埋め込んで、元データや製作者情報を引き出せるようにするのは有用性ありそう。セルフアセンブリシステムについても言及していました。振るともともと指定されていたように勝手に形作られていく、押し出すともともと指定されていたように勝手に形作られていく、サイズを大きくすると押し出すだけで橋を作るとかいうのもできちゃう。すごく夢のある話だなぁと思いました。その仕組みについてはちょっと分からなかったんですが、面白そうですね。詳しくは「ベイマックス」をご覧ください、とのことです。見なきゃ。

8. 神山 直之さん
マッチング問題と離散最適化

好みを考慮したマッチング問題(安定マッチング問題)を題材として、現象や状況のモデル化とそれに対するアルゴリズムに関してお話していました。マッチング、計算機科学と数学には絡んでるっていうのはわかるけど、経済学との絡みもあったんだなぁ…知らなかった。安定マッチング問題をマトロイドというものでモデル化していましたね。ちなみにマトロイドってのは以下で定義されるものです:

―――Def.(マトロイド) ――――――――――――――――――――――――――――――――
有限集合 Eと部分集合 F \subset 2^{E}の組 (E, F)について, 以下の(A1)~(A3)を満たすものをマトロイドという:
(A1)  \varnothing \in F,
(A2)  X \subset Y \in F \Rightarrow X \in F,
(A3)  X, Y \in F, |X|>|Y| \Rightarrow {}^{\exists}x \in X \setminus Y ~~ \mbox{s.t.} ~~ Y \cup \{x\} \in F.
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

最後にめっちゃいいこと言ってましたね。「社会に数学は役立つ。抽象化によるアプローチでいろいろな問題を解くことができる。抽象化を恐れてはいけない。抽象化は複雑な現象の『見える化』だ。」その通りですよね。抽象的なものに意味を見出すことができればそれは有用なものになります。グラフ理論とかそういう離散的なものに興味がある僕としてはとても面白かったし、考え方の上でも大変参考になりました。マトロイド理論もちょっと興味が出てきました。面白そう。さっきから面白そうしか言ってねぇな

9. 山田 太造さん
歴史学の情報?

歴史学では、様々な情報をもつ史料を扱うためにデータベース等の情報技術がなくてはならないとのこと。確かにそうだよなぁ
データをみんなで共有してみんなで情報を編集することができるようになっているそうだ。史料を一人で解読するよりずっと効率がいいですよね。史料に出てくる人物の相関関係をグラフで表現するというのも面白いです。「歴史を最尤推定していく」、「情報学を使って誰も知らない真の歴史に漸近していく」、それが歴史情報学なんですね。なんかカッコいいですね。デジタルヒューマニティーズの諸分野がこれからどう発展していくのか、気になるところです。
歴史学と情報学を結び付けるっていうのはあまりやっている方が多くないそうですね。僕が将来的に研究したいと思っているケモインフォマティクスの分野もそんな感じです。こちらは「情報学を使って化学を支える」といったところでしょうか。情報学でいろいろな分野が切り開かれていくといいなぁと思いました。とにかく、情報学の汎用性の高さを感じることができてよかったです。

10. 竹川 佳成さん
もしもピアノが弾けたなら~理想のピアノ学習支援システムを目指して~

キャラがめっちゃ濃い人でしたね笑
初っ端の発言「僕ねぇ~、あの、ピアノが好きなんです」からなかなかの出オチでした笑
「着るピアノ」、「ピアノで文字入力」(←いかに芸術的に文字入力するかこだわった結果だそうです)、「切り刻んだピアノとギターを合体」、「鍵盤が足りない時に隣の人からパスされるピアノ」、どれも発想が新しすぎて面白かったです。「パスするピアノ」の動画が衝撃的すぎてTwitterで思わず「ピアノパスおじさん」とか言ってしまうなど
ピアノ学習支援システムを作ろうとしているそうです。確かにピアノの練習難しかったなぁ、と思い出しました。思うように指がなかなか動かないんですよね。自転車に乗る技能を獲得したプロセス(補助輪(両輪)→補助輪(片輪)→お父さんの補助→お父さんのウソ)のようにさりげなく補助を取れるようなものとか、技能獲得までどれくらいかかるか予報するシステムを作ろうとしているそうです。面白そう。「理想の学習支援システムは、システムと人、それぞれが得意なことをやるような学習支援だ」と言っていましたね。ピアノだけでなく、ほかの習い事もそういうのができるといいんだろうなぁ



またしても長くなってきたので残りはまた別の日に書くか~
あと9人!